2020年に入っても、コインランドリーは雨後の筍の様にボコボコできています。
都市型の小規模店舗。洗濯機4台、乾燥機6台みたいな小規模店舗でも、2000万円程度の投資金額です。決して少額ではありません。
それなのに、300m先に同じような店が出店したりする。
一体なぜなのでしょう?よほどの勝算があるのか?
コインランドリーは、「洗濯・乾燥マシンを時間貸し」するだけのビジネスです。
洗濯~乾燥まで入替え無しでできる洗乾機や、靴が洗える洗濯機など、少し違ったマシンもありますが、基本は機械が洗って乾燥するだけ。
去年できたランドリーの300m先に、似たような別のランドリーを出店。これはどうなのでしょう。
明確な差別化はつけにくいですから、互いに売上を分け合うだけで、大きな儲けを期待する事ができません。
儲かるわけがないんです。
それでもランドリーの需要が伸びれば、売り上げが伸びる余地があります。業者さんからからは、よくこんなセールストークを聞かされます。
・コインランドリーの利用客は年々増加中・日本の利用率はアメリカに比べ非常に少なく、これから伸びる産業である・だから、少々ライバル店があっても大丈夫・出店数も年々伸びてます。
じゃぁ、業者さんにお聞きします。日本がアメリカ並みの利用率になるのは何年後ですか?そこまで店は廃業せずに持ちますか?
答えられるわけがないですね。
それでも近隣に出店しちゃうのは、アホなのか、バカなのか?
中にはそういう残念な人もいるようですが、あえて儲けが出ない事を理解しつつ、激戦区に出店する方もいらっしゃいます。
「節税目的」これです。
一つは単純に所得税や法人税を減らすための節税目的で出店する人。
コインランドリーの開業に使う資金のほとんどは、機器・付帯設備と工事費です。
2000万円の投資で、1400万円を即時償却可能。仮に税率30%だとすれば、420万円が節税できる計算です。
なかなか大きなインパクトですね。
この節税をメインに考えている立場であれば、開業後の収益についてはトントンでOK。
私のような零細投資家が、10年ローンで開業した店とは財務基盤が違うのです。
私の例で恐縮ですが、ローン返済として毎月10万ちょっとの支出があります。
仮にライバル店の影響で店の売上が半減したとすると、私の店は赤字です。
損益分岐点10万円の差は意外と大きい。
実は、時々店内にスーツを着た方が熱心にメモを取りながら来店される事があります。
売上が高ければ、そこは出店余地がある地域とみなされます。
もう一つの節税は、退職金や相続税対策です。
先ほども書いた通り、コインランドリーの費用は「機械と工事費」です。
ここで重要なのが、あくまでも「資産性が低い」のは機器であって、店自体が黒字であれば「収益性はある」事です。
キャッシュマシンをタダで贈与できるイメージです。
社長が法人名義で作った店を、退職時に自分に現物支給。相続対策として子供への贈与。
こんな使い方をする人もいらっしゃいます。
また、更地や駐車場の評価額は高いですが、店を作れば評価額は大きく下がります。
コインランドリーは、資産家の節税ツールとしてもつかわれているのです。少し前のタワーマンションや太陽光発電と似た構図ですね。
このような「収益を求めない相手」との戦いほど怖いものはありません。常識が通じない相手ですから。
私も、日々ビクビクしながら、ライバル店ができない事を祈っております。
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